固定費のサービスから、調整できるサービスへ。今よりも行きやすく、多様性が高まる東京

新型コロナウイルスの影響を受けて、姿を変える東京。 一方で、東京を歩いてみると、愛しき「相変わらず」を垣間見ます。 外出自粛の緩和に伴い、東京の街には人が戻り、お店も観光地も活気を取り戻しつつあります。会えない日々を越えて、いざ、リアルの場所で会ってみると、対面することの価値を感じることも。 マスメディアで見せられる新しい世界と、リアルな世界の間で感じる違和感を深堀り、思想と知見を集めながら、いまこそ、新しい東京の価値を考えよう。 Empowering the people to connect. 人と人をつなげること。を、人生のゴールに掲げる株式会社ガイアックス 代表 上田祐司さん。 数々の起業家を輩出し、支援してきた上田さん。その根底にある思いを伺うと、意外にも「起業家を輩出したいとは思っていません。」と、さらりと答えます。そして「ただ、人と人をつなげることにより、世の中を変えられる人を創出していきたいとは考えています。」と、インタビューが始まりました。 上田さんご自身が、社会人になりたての頃に過ごした「東京」でのエピソードから、これからの「東京」について、挑戦したい若者に向けた思いを乗せてお話いただきました。

上田祐司の東京暮らし


ー上田さんが東京暮らしを始めたのは、社会人になられた時ですか。

そうですね。京都の同志社大学を卒業して、就職しました。
だらだらしたくないなぁと思っていて、めっちゃ仕事したかったんで、その時に、家を借りるのではなく、カプセルホテルに暮らし始めました。

初めて家を借りたのは、会社員をやめたときで、「お、家借りるんだ!」「そう、会社やめるから」って意味の分からない会話をしてましたね。笑

ー上京と同時にカプセルホテル生活かぁ…、なぜあえてカプセルホテルを選ばれたのですか。


写真左:上田祐司さん、写真右:株式会社unito 代表 近藤佑太朗


まず1つ目の理由としては、やっぱり、カプセルホテルで生活するというのは、めちゃめちゃ利便性高いんですよね。例えば、渋谷でアポがあって、次の日新宿でアポがあったとしたら、新宿で寝ようってできるし。

当時はカプセルホテルしかなかったんですけど、その10年後くらいに、ネカフェが出てきて、ネカフェ難民っていうのが出てきて、僕は10年前からネカフェ難民をやってたなぁって、思いましたね。笑

カプセルホテル暮らしをする上での、懸念点というか、ハードルになってしまうのは、まず荷物。荷物を減らして、リュック1個に入るように圧縮して、コインロッカーにいれてましたね。それから、スーツやワイシャツは、クリーニング屋さんに預けていました。1店舗だと一気に返ってきてしまうので、複数のクリーニング屋さんに預けて、どこになにがあるかをメモしていました。

あとは、当時は、郵便物が今よりもあって、例えば年賀状とかですね。そういうのは郵便局局留めで送ってもらっていましたね。あのころにunitoがあればなぁ…笑

ー もっと早くに生まれるべきでした…笑


やりたいことにフルコミットするための環境づくり


ー それにしても、まさにunitoの生活を先取りされてますよね…!他にもカプセルホテル暮らしを選ばれた理由はあるんですか。

そうそう、2つ目の理由のほうが重要で、なにかにフルコミットしようと思った時に、効率を追求したらカプセルホテル暮らしになるんじゃないかなと思うんですよね。僕の場合は、そうでした。

今の僕に、そこまでエクストリームな生活が最適とは思わないんですけど、20代から30代半ばの1年間や2年間は、そういう生活をすべきなんじゃないかなと思っています。

一概に、ブラックはダメ、定時で帰るのが良いみたいな風潮がありますけど、24時間戦わないのはやりたくない仕事をしてるからだと思うんですよね。例えば、自分で事業を始めるときとか、やりたいことだったら、自ずと集中してやると思うし、自宅でほっこりする時間は、真っ先に削減すべき時間になると思うんですよね。



カプセルホテルの1番いいところは、くつろげないところ。

「無駄な時間を消耗してしまうので、テレビを買っていません。」という人がいたのですが、それって正しいなと思っていて、僕の場合、その延長線上に家を持たないというのがあるんですよね。

やっぱり、人間って精神が弱いんですよ。テレビがあったら見てしまうし、こたつがあったらくつろいでしまう。だから物理的に処理して、集中できる環境を整えていくべきだと思いますね。

もしこれを読んでいて、「何かに集中したい、だけどなかなか取り組めていない」という人がいたら、環境を変えることをおすすめしたいですね。

ー 確かにどんなにやりたいことでも、結局テレビやまわりの誘惑にひっぱられて集中できないことがありますよね。本気になりたいときは、環境から整えていくというのは本質的ですね。

ただね、ミッションを見つけて、そのビジネスをするべく思いっきり働け!と、ただ真面目に言っているように見えて、そこまで私はピュアな人間でもなく。「とはいえ、遊ぶべき」だと思うんですよ。

遊ぶってやっぱり、おもろいもん。
映画で、死ぬまでにやるバケットリストみたいな物語があるけど、「バカじゃないの、今やりなよ」って思うんですよね。まぁ「エベレスト登山やりたい」って言われたら、それは「準備とトレーニングとお金が必要やから、さくっとはできひんな」って思いますけど…。



例えば、スカイダイビングだったら、週末のたった3時間、たった数万円でできちゃうんですよ。いつかやりたいと思っていることがあるなら、遊びでも仕事でも今やるべきだと思うんですよね。やってみてわかること、見える世界があるんですよね。「これ、面白い!」って思った瞬間、全てパクパク食べればいいのにって思いますね。

ここで「東京」に話を戻すと、遊ぶにも人に会うにも、やっぱり東京という場所は外せないと言えますよね。
コロナによって、よく言われていることですが、東京の地価が下がっていくこと、地方に移る人が増えることは間違いないと思っています。ただ一方で、「東京」は今よりももっと多様性をもつ場所、そして、プレミアムな場所になっていくと思いますね。

コロナ後の東京は、調節できるサービスに溢れる


例えば、今日来ていただいたNagatacho GRiD。コロナ以前から、シェアオフィスやイベントスペースとして、利用いただいたスペースですが、コロナ後においても、事業性はあると考えています。



オフィスの需要が減っていく一方で、どの企業も100%のオンライン化ができるわけではないと思っていて、「今入っているオフィスほど広くて、毎日全員が出社できるオフィスはいらないけど、時々集まれたり、必要最低限の人数が出社できるスペースがほしい」っていう企業も多いのではないかなと予想しています。それに対して、GRiDは、広いイベントスペースや、数人から利用できるシェアオフィスという使われ方で、十分にバリューがあるなと考えています。

これはGRiDの話だけど、固定費のサービスから、必要な分だけ利用してお金を支払う、つまり、調節ができるサービスに流れてくるのではないかと思っています。

僕の考えでは、世の中のビルとかなくなって全てシェアオフィスになるべきだし、世の中のマンションは全てunitoになるべきだと思っていますね。



労働マーケットって、フリーランスの人が働きやすくなったりしてる裏側で、調節できるものになりつつあるなと思っていて、それを追いかけるように、暮らしや住宅もそうなると考えています。

これまで、東京で働いている人が高い家賃を払って、固定的にすんでいたのが、unitoとかを使ったりして、「3箇所で住んでますよ」「住民票どこに置いていたかな」「私住所どこ置いてたっけ」というような人が増えてくると思うんですよね。

ー 固定費から利用回数と金額が調節できるサービスが増えていくんですね。確かに私も働き方が自由になったので、暮らし関連の固定費が調節できるようになれば、いろんなところに行けそうです…!

そうそう、そうやって「人生のなかで東京が8割」だった人の東京の割合が3割に減ったかもしれないけど、その一方で、広島で一生暮らすつもりだった人が「家賃も低いし、少し東京に住んでみるか」って思えるかもしれない。

そう考えると、東京に来れる人の幅がこれまでよりも広がって、東京の多様性が高まって、そしてこれまで以上に面白い都市になっていくのではないかと思いますね。

ー これまで以上にいろんな人が東京で暮らしたり、東京に来るようになったら…、今とは違う東京になっていく気がしますね。確かに、これまでの東京は多様性があるようでなかったのかもしれませんね。

オンラインの広がりで高まるオフラインのプレミアム感


ユニバーサルサービスで、誰も彼もがオンラインでいろんなことを楽しめるけど、その一方で、リアルで会うっていうのは、よりプレミアムなサービスに変わっていくんじゃないかと思っています。

僕らも、リアルイベントでオンライン同時配信というのをやる時に、チケットの金額、オンラインとリアルを一緒にするかというと、リアルってやっぱり少し高くするし、やっぱり満足度は一緒とは思っていないんですよね。3倍とか5倍の価格を払ってもらうけど、その分プレミアムな体験を届けられると思っています。



これまで、高嶺の花だった東京が、安くなってくる、人が減ってきて、調節できるサービスが増えて、いままでだったら東京に来なかった人も、東京に来るようになる。

東京は、多様性とプレミアムなサービスが楽しめる場所として、やっぱり多くの人にとって、行きたくなる都市に、行くことができる都市になるのではないかと思いますね。

line相談中
lineアイコン

部屋探しから退去まで、LINEで丁寧にサポート

コンシェルジュが条件を伺い、最適なお部屋を提案させていただきます。また、契約後、ご滞在中、そしてご退去までお困りのことがあればコンシェルジュがLINEで丁寧にサポート。お気軽にご相談ください!