2020年に客室数2倍増設。日本橋の老舗「ホテルかずさや」が 創業130年を経て、これから新たに紡いでいきたいホテルの形

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創業130年という長い歴史を持ち、2020年にリニューアルオープンを果たした東京・日本橋の老舗「ホテルかずさや」。アクセスがよく大浴場付きと利便性と歴史を兼ね備えたかずさやさんを訪れ、130年の歴史を経て今リニューアルに踏み切った背景や込めた想いについて、「ホテルかずさや」のマーケティングリーダー高橋さんにお伺いしました。

1891年創業。人・歴史・文化が交差する日本橋・時の鐘通りで、”先人たちが創ったここにしかないストーリーに想いを馳せ、ここでしか感じられない新たなストーリーを紡ぎだすホテル”を、コンセプトに新規オープン。日本橋本町にて江戸の伝統を引き継ぎ、創業精神の心和む暖かいおもてなしをモットーに安全、清潔、快適なサービスを提供する歴史あるホテル。


江戸から残る歴史の息吹と粋はそのままにリニューアル


まずは、「ホテルかずさや」のコンセプトについて教えていただけますか?


「ホテルかずさや」は130年の歴史がある老舗ホテルです。心和む暖かいおもてなしの精神をモットーに掲げ、江戸の伝統を継承したホテルです。
客室には日本橋の江戸文化を感じられる「四十八茶百鼠」を使用しています。
「四十八茶百鼠」とは、茶色や鼠色などの暗めの色に微妙な濃淡と色を掛け合わせた落ち着いた色味のバリエーションを指す言葉です。今でいうニュアンスカラーというようなものでしょうか。
実は江戸時代の町人は幕府から色の制限をされ派手な色を使えなかった時代背景があるのですが、そんな中でも江戸っ子の粋として多彩な色を表現したいという想いが隠れていたのではないかと思います。当ホテルとしてもそのような歴史と江戸っ子の粋を大切にしたく、客室の色合いで表現しています。
江戸と令和が融合した『ここにしかないホテル』をコンセプトにしています。

2020年にリニューアルされたということですが、主に変化した部分はどこですか?


2020 年に創業130年を迎えまして、そのタイミングでリニューアルオープンいたしました。客室は70室から154室と2倍以上に増やしております。

このように客室を増やし、より多くのお客様に宿泊いただけるようになったというのが1点、そしてもう1点が大浴場です。このリニューアルを機に、新たにつくりました。

この大浴場には非常にこだわりを持っておりまして、少しでもゆっくりとお過ごしいただけるよう江戸黒を基調とした空間に木目調の天井や目隠し光る目隠し格子壁などで和モダンな江戸の風情を演出しております。

あとはレストラン食堂酒菜 時の鐘の食事についても、他では味わえない日本橋名物を取り入れた和食を中心に展開している点もご注目いただきたいポイントです。
今年リニューアルして2年を迎え、日本橋の老舗の名店にんべん様の鰹節を使用し、かずさや独自の製法で作った「お江戸出汁しゃぶ」はぜひ召し上がっていただきたい一品です。


昔ながらのお客様を大切に、一緒に変化を育んでいく


ーリニューアルと同時に客室数を2倍に増やしたことで苦労した点はありますか?


単純に部屋が多くなってより多くのお客様に来ていただけなければならないというプレッシャーもありますし、部屋のタイプも増え覚える量やオペレーションが増える中でも、来ていただいたお客様をどのようにご満足いただけるかと気を配ることは、当初少し苦労したように思います。

あとはリニューアル前からご利用いただいていたお客様も多くいらっしゃいます。そういった昔からご利用いただいているお客様のお声が非常に大切であるとスタッフ一同認識しておりますので例えば「変わったね」というその一言が、ポジティブな意味かネガティブな意味なのか、敏感に捉えるように徹底しています。

実は、2年間建物の改修などで閉館という形をとっていました。その間出張などで来京される際は別のホテルを活用されていたというお客様も、リニューアル後「やっぱりここに戻ってきた」という風にお声がけいただくことが多くあるんです。

そういった昔からの繋がりを今も持てているということがとても嬉しいですし、大切にしていきたいなと思っています。

ーお客様がまた戻ってきてくれる、というのはなぜだと考えていますか?


かずさやならではのお客様に対してのおもてなしの気持ちと安心感があるからだと考えています。

例えばチェーンのホテルさんだと、全国どこに行っても同じハード・ソフト面の安心感などがあると思います。

わたしたちの強みはお客様が「また来たい」と感じて下さるくつろぎの時間(とき)を提供しホスピタリティに溢れた『ここにしかないホテル』を目指していることです。

お客様がいらっしゃった時には「お帰りなさい」というお気持ちで暖かくお迎えしたり、以前お声がけいただいた内容はきちんと覚えておいた上で会話をしたり、お客様のご要望に対してのプラスアルファを模索したり、そういった一つ一つのことをスタッフ全員が大切にしています。

社内できちんとお客様の情報は共有し、良いお声もご指摘のお声も私自身も全てに目を通すように心がけています。



稼働率が上がるだけじゃない。ホテルの雰囲気も良い方向へ


ーunitoの導入背景について教えていただけますか?


まずはシンプルに「稼働率を上げたい」という悩みからでした。
ちょうど1年ほど前、コロナ真っ只中で客足が伸びづらくなったことに悩んでいる時期がありまして。そのような時に長期でご利用いただけるお客様をどうしたら取り込めるのだろうと考えていたんです。

また私自身のライフスタイルとして、平日は仕事で都内にいますが、土日は実家に帰ったりどこかへ足を伸ばしたりということも多いため、「帰らない日は家賃を払いたくないな」なんて思っていました。

ちょうどその時期にunitoの大田さんより、unitoや「リレント=外泊時は宿泊者に部屋を貸し出すことで家賃が下がるシステム」についてお話をいただいて。「え、自分がほしいと思っていたものがすでにあったんだ!」と驚きました。

ーunito導入後の印象はいかがですか?


最初はどんな人が来るのか未知だったのですが、平日だけお仕事のために都内に出てこられる方、大浴場を楽しみにこられる方など、ありがたいことに長期滞在していただいてます。

自由に場所を選んでPC一つでお仕事をされる方が増えているからこそ、より快適に過ごせる暮らし方の需要が増えているのだと感じています。

unito導入後、これまではどちらかというとビジネス利用で年齢層が高めのお客様が多かったところから、新しい風が吹き始めた印象がありまして、ホテルの雰囲気も変わったのでとてもいいきっかけだったなと思っております。

ー新しい風、というと?


はい、やはりお客様と直接お話をしていても他のOTAからの客層とはひと味違う印象です。先の宿泊予定まで決めてくださっている方が多いです。単発の短期ではなく、中長期で予定を考え、先々まで明確に予約を決めてくださるお客様が多い印象です。キャンセルされることが少ないのも安心です。

あとは、ユニークなお客さまが多く、とてもお話がしやすいんです。unitoをご利用されている方はお仕事も活躍されていたり、コミュニケーションが上手なお客様が多い印象なので、つい「接客業やりませんか」とお声がけしたくなることもあります。

お話をしやすい人柄のお客さまが多くいらっしゃるおかげで、ホテルの雰囲気としてもほんわかするのでありがたいなと感じています。


稼働率80%を目指して、安定基盤をunitoで


ー今後はどのような展開を考えられていますか?


多くの長期滞在のお客様にご利用いただき、お部屋を埋めていければと思います。unitoのお客さまが増えることで安定してホテルのお客様数の基盤が整えられるので、稼働率やADRへの反映は安心材料として今後も期待していきたいです。

客室数が2倍になっても稼働を80%埋めることが現在の目標です。

ー高橋さんが考える「長期滞在」の理想の形とは?


私が考える滞在スタイルの理想としては、もちろんずっと滞在していただくのもありがたいのですが、お掃除やオペレーションも含めて考えると、定期的に空けていただくサイクルの方が理想的だと考えています。

長期でご予約の枠を抑えているにもかかわらず、先の期限がわからない状態ですと、不安があります。キャンセルになる可能性もゼロではないので、そういった意味でリスクもあります。

しかし、unitoのお客さまですと、月に2回のリレント申請や解約時は20日前に申請など、こまめにコミュニケーションをとっていただける仕様になっているので非常に安心できます。

また、稼働率を80%目指すとなると、オペレーション面での負荷もございます。数ヶ月のご利用者様で安定的な基盤とOTAでのADRをコントロールすれば、稼働率80%オペレーション負荷も抑えられるのではと思っています。

外で仕事を頑張るみなさんに、家のようにくつろげるおもてなしを



ー最後にこれから利用してくださるunitoユーザーの皆様へメッセージをお願いします。


かずさやを利用してくださる方は、働き者の方が多いのではないかと感じています。
普段からお仕事をタイトにされている方が多い印象ですので、まずは大浴場でゆっくり過ごしていただきたいです。

そして、もちろん距離感というのはお客様によってお好みが違うかと思いますが、何かあった時にはいつでもご遠慮なくお声がけください。

「これあるんだっけ?」「どこにあるんだろう」といった、なんとなくホテルスタッフに言いづらいこともあるかと思うのですが、私どもは家のようにくつろいでいただきたいと思っています。お客様が外でバリバリ働いていらっしゃる分、少しでもゆっくりしていただける時間(とき)をご提供できればと思います。心和むあたたかいおもてなしを今後もかずさやの強みとして育てていきたいです。

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