緑と手仕事のコンセプトを中心に、街と人と融合していくホテル
ーまずは、自己紹介をお願いできますか?
はい、HAMACHO HOTELの福島と申します。
元々はイギリス・ロンドンのホテルで勤務をしていました。古いホテルでアジア人は私ひとり、ヨーロッパの方が中心だったんですが、たまに訪れる日本人観光客の方の対応を任されたりと、いろんな国の方がいるエリアだったので、のびのび働いていました。
その後日本に戻ってきてからは大手外資系ホテルで勤務をしていたんですが、もっとお客さんに近いカジュアルな接客がしたいと思っていたんです。
そのころちょうど現在所属しているUDSがゲストハウスに力を入れていたタイミングだったので、入社をしました。
自分が留学経験があるからこそ、日本に海外の方が来るのってハードルの高さもあるんじゃないかと思っていて。そこで受け皿になれる存在になりたいなと思い、帰国後もホテル業界に居続けています。
ー「HAMACHO HOTEL」について教えていただけますか?
HAMACHO HOTELは2019年にオープンしました。
私はオープン後3年弱ほどのタイミングで、着任しました。
もともとゲストハウスなどに携わっていて、まちに住む方々と交流しながら企画運営するのが好きだったので、そういったコミュニケーションが活発な浜町で働いてみたい、と思っていました。
浜町の面白いところは、住んでいる方達が「浜町のまちを良くしていこう」という想いが強く活発なところです。着任した当初はとてもびっくりしました。
HAMACHO HOTELはレジデンスと隣り合っているんですがそこに住む住民の方との交流も盛んで、イベントをやるとみなさんきてくださるんです。
ロビーを通っていかれる方も多く、顔馴染みの人もいるので、「おはようございます」など挨拶やコミュニケーションが多いのが特徴です。
季節のイベント準備をしていると、住んでいる方から「いつやるの?」などと声をかけてくださいます。
ー「HAMACHO HOTEL」の特徴はなんですか?
浜町のまちづくりコンセプトでもある「手しごと」と「緑」です。
浜町って中央区の端で、都心ではあるんですけどすごく緑が多いんです。
だからホテルの中にもふんだんに緑を取り入れています。
また浜町は職人さんがすごく多くて。でも手しごとをする人のことを実際に身近に感じて知ることができる機会ってなかなかないんですよね。
ですのでこのホテルを舞台に、「手しごと」というキーワードでイベントを考えるなど、色々と企画をしています。
まちのことをより深く知ってもらいたい人と知らせたい人とをうまく融合して、機会を作っていける存在にこのホテルがなれればいいなと思い、日々運営をしています。
オフィスエリアでありながら、若い世代の心を掴むおもてなしの工夫
ーお客さんとしてはどのような方が多いですか?
コロナ渦に入る前は海外の方、インバウンドの方が大半だったんですが、コロナに入ってからは、国内の若い方の割合が増えました。
最近はまた海外の方も増えていますが、依然として20-30代の若い女性はすごく多いです。
SNSでも映えるスポットが色々とあるんですが、私たちが思っている以上に綺麗に写真を撮ってくださるのでいつも驚いています。
またオフィスエリアではあるんですが、記念日に使ってくださる方も多いです。
ーオペレーションで工夫をしていることはありますか?
小さなところでいうと、記念日などの機会に泊まっていただく時間を楽しんでいただけるよう工夫をしています。
ホテル自体を楽しんでいただくことはもちろん、下にチョコレートショップがあるので、それごと楽しめるような演出をしたり、バスソルトを添えさせていただいたり、ホテルで過ごす時間全体を楽しめるように工夫をしています。
浜町の知名度を上げ、旅の目的地として選ばれる街に
ー今後の展開について教えてください。
「浜町ってどんな場所?」というのが一般的な方の意見で、まだまだまちとしての知名度が低いです。HAMACHO HOTELをきっかけに浜町が目的地になれるようになればいいなと思っています。
まちや他のお店とのコラボレーションを通して、「今日は〇〇があるから浜町に泊まろう!」と選んでもらえるようにしたいです。
リレントを通して時間効率を重視し、柔軟な暮らしをするユーザーが増加
ーunitoを導入したきっかけはなんですか?
最初はコロナで客室が余っていたのがきっかけでした。長期で泊まる方がいれば売り上げ面でもオペレーション面でもメリットがありますし、お客様と顔馴染みにもなれてコミュニケーションが取れるのが魅力的だなと思い導入を決めました。
すごく面白いなと思ったのが「リレント」の仕組みです。
マンスリーだとずっとお部屋をおさえるんですが、途中で不在にされるお客様も結構いらっしゃるんですよね。unitoだと、月で契約している最中にリレントを使って、不在になったとしてもお得に滞在できるのがすごく面白いなと思いました。
ー利用されているお客さまの印象はいかがですか?
みなさんいい方ばかりです。
お荷物を預けられる際も比較的コンパクトにまとめてくださっていて。想定していたよりもスムーズに導入をさせていただいています。
活動されている時間帯は一般の宿泊客の方とは違う感じで、フリーランスなど柔軟な働き方をされている方が多いかもしれません。
イヤホンで会議をされながら帰ってこられる方など、時間効率を重視される方が多い印象です。
ー利用状況や売り上げはいかがですか?
徐々に稼働が上がってきていますね。
ホテルとして長期で安定的に予約が入っている状況は安心材料になります。
金土はリレントするプランなど、ホテルとしては弱い平日を埋められることがありがたいです。
逆に稼働が上がる土日などは一般のお客様に宿泊していただいています。
日曜〜金曜でチェックアウトするというのがホテルと逆の予約の入り方なので、ありがたいです。
ーunitoを導入してオペレーションで特に意識をされていることはありますか?
コミュニケーション面には気をつけています。
シフトで働いている以上、頻繁に顔を合わせるスタッフもいればそうでないスタッフもいます。ですので、お客さまの情報をチーム間で共有しています。
ルールとして徹底しているというよりは、自発的にチームでやってくれています。
ーコロナが明けて外国のお客さまが戻ってきている中、長期滞在のお客様について今後はどうしていこうと考えられていますか。
また状況が変わるかもしれないのでわかりませんが、今の時点では大事にしていきたいと思っています。ここが住みやすいと感じて滞在してくださっている方々ですし、売上の部分はもちろんですがスタッフのモチベーションにも繋がっているというのが大きいです。
UDSで働くスタッフは、お客様との接し方において、かしこまった形よりも丁寧ながらもカジュアルに接したい希望を持つメンバーが多いんです。
長期で宿泊をするお客様がいると、こちら側も存じ上げているし、お客様も自分のことを認知してくれているというのが楽しいと感じて、モチベーションに繋がっているスタッフは多いです。
unitoユーザーと共に、まちと繋がり、日常を豊かにする暮らしづくりを
ー今後のunitoやお客様との関わり方について、理想はありますか?
現在、unitoを通して、いろんな職種の方が使ってくださっています。
HAMACHO HOTELは手しごとをコンセプトにしているので、今後よりデザインに感度が高いような方がunitoのサービスを使ってホテルを利用しながら、ここを拠点としてまちと繋がっていってくださると嬉しいです。
浜町にたまたま来たから泊まるホテルではなく、浜町にこのホテルがあるから泊まるというように選ばれることに意味があると思っています。
まちの方も新しいことを受け入れる度量のある方が多いんです。
今まで「ホテルに泊まる」って非日常というのが強かったと思うんですが、日常の延長線上にどんどん新しさが生まれていく、そんなホテルとまちのあり方があってもいいんじゃないかなと思っています。
ー最後にこれから利用してくださるunitoユーザーの皆様へメッセージをお願いします。
私たちが目指している空間は非日常というよりは、日常の一部として使ってもらえる場所です。
そういう意味でHAMACHO HOTEは利便性もいいですし、まちも独自の魅力があるので堀り出したらとても面白いです。
ぜひ暮らしの一部を形づくる場所として、検討してもらえたら嬉しいです。