Unitoは、2025年4月にシリーズDラウンド ファーストクローズでの資金調達を実施しました。今回はそのリード投資家としてご出資いただいた、アニマルスピリッツ代表パートナー朝倉祐介さんにお話を伺いました。 2022年、経済産業省は「スタートアップ育成5か年計画」を発表し、スタートアップを日本の成長戦略の中核に据える方針を打ち出しました。こうした動きが進むなかで、ベンチャーキャピタルに求められる役割も、これまでの「投資家」という立場にとどまらず大きく変化しています。 起業・経営・投資と複眼的な立場から業界を見つめてきた朝倉さんに、スタートアップ支援に対する想いや、Unitoのような企業がもたらす可能性を伺いました。 スタートアップは、自らの事業を通じて社会にあふれる課題を解決できる存在 ー アニマルスピリッツ創業から3年、改めてスタートアップ支援に対する想いや貴社ポリシーを教えてください。 アニマルスピリッツは 「未来世代のための社会変革」 というミッションを掲げて活動しています。2023年の設立以降、2025年7月現在で20社以上のスタートアップに出資していますが、投資の意思決定においては、すべての会社がこのミッションと何らかの関連性を持っているかを非常に重視しています。 スタートアップは、 自らの事業を通じて社会にあふれる課題を解決できる存在 です。 そうした社会的意義を持つからこそ、社会全体で応援する価値があると考えています。 そのような志高いスタートアップを支援したいという想いを、私をはじめアニマルスピリッツのメンバー一同が共有しています。 設立以降、多くのスタートアップから資金調達のご相談をいただいています。残念ながら実際にご支援できるのはその中のほんの一部に限られますが、投資先企業の中から着実にインパクトを創出する会社が増えてきていることを心から嬉しく思っています。 ー創業を振り返り、朝倉さんご自身の思い、印象的だったこと、スタートアップ市場自体で大きく変化を感じたことはありますか? スタートアップが対峙するのは、変化の激しい新しい市場や産業です。私自身も一起業家として経営に携わっていた頃から、その激しい変化の波を肌で感じてきました。 一方で、時間をかけてスタートアップという存在が日本社会に定着し、社会インフラとなるような事業も数多く生まれてきています。私がスタートアップの立ち上げに関わっていた頃は、ちょうどスマートフォンが世の中に浸透するタイミングでもあり、多くのスタートアップがコンシューマー向けアプリケーションの開発に注力していました。 当時の中心的な事業領域から考えると、Unitoのように不動産という社会に根ざした基盤産業でイノベーションを起こすスタートアップが増えてきたことに、隔世の感を覚えます。 Unitoが、未来世代の人々にとって自然で当然の選択肢になってほしい ー 当社への出資経緯と決め手を教えてください。 Unitoとは、弊社の川原が創業期から事業成長をサポートしていたご縁で接点を持つようになりました。そのうえで、Unitoには二つの点で強く惹かれています。 ひとつは、「リレント」という明確にユニークで、かつ時代に合ったビジネスモデル。もう一つは、短期間でしっかりと顧客ニーズをとらえたということです。加えて、近藤社長の前向きに新しい事業をつくろうとする起業家らしい姿勢に大変感銘を受けています。 ー ありがとうございます。決め手のひとつに挙げていただいた「リレント」のビジネスモデルについて、どういった期待をしていただいていますか? 人々のライフスタイルは社会の進展とともに絶えず変化しています。この10年間を振り返っても、特にコロナ前後で暮らしに求める要素が大きく変わったことを痛感しています。 住居という人間の生活基盤に関わる領域で生まれた新しいニーズに的確に応えるリレントのビジネスモデルは、まさに時代性にマッチした事業だと考えています。 ー 当社が取り組むフレキシブルリビング市場についての印象、期待や展望を教えてください。 不動産や住居に限らず、あらゆるものが「所有」から「シェア」へと移行する大きな潮流が起きています。こうした変化の中で、私たちの生活空間もシェアリングという文脈に沿った変革が求められていると感じています。 Airbnbをはじめとした民泊サービスがインバウンド需要の増加とともに急速に普及していますが、その中で普段の住居を民泊等に活用していない時間(アイドルタイム)に提供するという新しい生活スタイルは、まさに時代の変化に合致したアプローチだと考えています。 ー 最後に、Unitoとのビジョンについて教えてください。 Unitoの事業は今でこそ目新しく映るかもしれませんが、数年後、10年後にはこれが当たり前のライフスタイルになっているのではないでしょうか。Unitoには、未来世代の人々にとって自然で当然の選択肢となるようなライフスタイルを提案・提供する会社として、持続的な成長を遂げていただきたいと考えています。 プロフィール|朝倉 祐介(写真右) 競馬騎手養成学校を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。その後、大学在学中に設立したスタートアップ・ネイキッドテクノロジーに復帰し、代表に就任。ミクシィ社への売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEOに就任。業態転換による同社の事業再生・再成長を牽引した後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、IPO後も継続成長するスタートアップの創出をテーマにシニフィアンを創業。同社を通じてグロースキャピタル「THE FUND」を設立し、レイトステージのスタートアップへのリスクマネー提供に従事。その後、アニマルスピリッツを創業し「未来世代のための社会変革」をテーマにシード・アーリーステージのベンチャー投資を行う。 セプテーニ・ホールディングス、ラクスル、ロコパートナーズなど、上場/未上場企業の独立社外取締役を歴任。Tokyo Founders Fundパートナー。一般社団法人スタートアップエコシステム協会顧問。 主な著書に『論語と算盤と私』『ファイナンス思考』『ゼロからわかるファイナンス思考』 ▽アニマルスピリッツ